【ベートーヴェン】ピアノソナタ第8番 第2楽章/ベートーヴェンが書いた最も美しいメロディ

ピアノ・ソナタ第8番 第2楽章は、ベートヴェンが書いた最も美しいメロディの1つと言われ、多くの映画やドラマで使用されるなど、クラシック音楽を知らない人にもよく知られている有名な曲です。

本記事ではこの曲を紹介します。

辻井伸行ピアノ・ソナタ第8番(悲愴)第2楽章
演奏者:辻井伸行

概要

ピアノソナタ第8番」は1797~1798年(27〜28才)に作曲された初期の代表作で「ベートーヴェンの3大ピアノソナタ」の1つとも言われます。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタの第2楽章は、第1楽章と第3楽章のつなぎ的な役割であまり印象に残らないイメージがあるのですが、第8番の第2楽章は例外で、その美しいメロディーよりベートーヴェンの曲の中でも最もメジャーな曲の1つと言えます。

表題について

このピアノソナタ第8番にはベートーヴェン自身により「Grande Sonate pathétique」(大ソナタ悲愴)という表題が付けられています。

音楽に表題を付けるのはロマン派の時代以降に盛んに行われるようになりますが、当時では珍しいことでした。

ベートーヴェンのピアノソナタには第14番「月光」、第17番「テンペスト」、第23番「熱情」のように表題がつけられたものがありますが、いずれも後の時代に本人以外によってつけられたものです。

ぐんそう
ぐんそう

表題によって曲のイメージって変わるけど、作曲者以外が付けた表題は作曲した本人の意図に反することもありそうだね。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827年)

神聖ローマ帝国のボン(現在のドイツ)出身で「楽聖」とも呼ばれる音楽史上最も重要な作曲家の一人です。残した作品は古典派音楽の集大成であり、後のロマン派音楽の先駆けともされています。

20代の終わりころから耳が聞こえにくくなるという作曲家として致命的な病に悩まされますが、それを克服して数々の大作を産み出しました。

交響曲、協奏曲、室内楽曲、ピアノ曲、声楽曲などあらゆるジャンルの作品を残しましたが、その中でも1795年から晩年の1822年まで作曲された第32番まであるピアノ・ソナタは「ピアノの新約聖書」とも言われ、ピアノに関わる人にとって避けて通ることはできない存在とも言われています。

未完の交響曲第10番

ベートーヴェンは亡くなる直前まで創作活動を続けていました。交響曲は第9番まで発表されていましたが、第10番の構想を記したメモが遺っており、そこには悲愴ソナタ第2楽章と似たメロディーがあったそうです。

イギリスの作曲家バリー・クーパーなど、遺されたメモよりベートーヴェンの手法を用いて交響曲第10番の再現を試みた人がいます。
ベートーヴェン第十交響曲第一楽章(バリー・クーパーによる)
ぐんそう
ぐんそう

他の作曲家による交響曲第10番もありますが、ベートーヴェンは断片的なメモしか遺していなかったので、どこまで忠実に再現できているか、かなり疑問があります。

ポップス曲にも使われた

ビリー・ジョエルの「This Night」はサビの部分に悲愴ソナタ第2楽章の冒頭部分をそのまま使っています。

これはパクリではなく、ビリー・ジョエルは普段からベートーヴェンが好きだと言っており、作曲欄にベートーヴェンより引用と明記されています。

Billy Joel – This Night (Audio)

個人的な感想

この曲はピアノを習ったことのない私が初めて弾いたクラシックのピアノ曲なので、思い入れが強いです。

そんなに難しくないだろうと思っていたのですが、ペダルの使い方もトリルの弾き方も分からない状態で挑んだのでまともに弾けるようになるまで思ったより時間がかかりました。。

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