ボジョレー・ヌーヴォーとは? 解禁日、楽しみ方について

 ワインに詳しくない人でも「ボジョレー・ヌーヴォー」というワインを知っているかと思います。解禁日がくるまで飲んではいけないという特別さからプレミアがついて人気があるのだと思います。本記事では、ボジョレー・ヌーヴォーの特徴や解禁日、楽しみ方について紹介したいと思います。

ボジョレー・ヌーヴォーとは?

名前の由来

 ボジョレー・ヌーボーの「ボジョレー」とは、このワインの材料となったブドウの生産地である、フランスのブルゴーニュ地方のボジョレー地区を表しています。また、「ヌーヴォー」とは、フランス語で「新しいもの」という意味になります。これらの2語をつなげた、ボジョレー・ヌーボーとは、フランスのボジョレー地区でその年に収穫されたブドウを使って作られたワインをいいます。

注目される理由

 ボジョレー・ヌーヴォーは、通常のワインと異なり、ブドウをつぶさずにタンクにいれて製造します。この製法のため、ブドウの質がワインの味わいに直接影響します。そのため、ボジョレー・ヌーヴォーは、その年のブドウの質を測る指標として注目されています。例えば、ボジョレー・ヌーヴォーがおいしければ、その年に作られたブルゴーニュ地方のワインもおいしくなることが期待できるという具合にです。

解禁日はいつ?

 ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は、毎年11月の第3木曜日です。そのため、11月の第3木曜日の午前0時以降に飲むことが許されています。時差があるため、日本は原産地であるフランスよりも先に解禁日をむかえるため、一足先にボジョレー・ヌーヴォーを楽しむことができます。では、なぜボジョレー・ヌーヴォーには解禁日が設けられているのでしょうか?

 もともとボジョレー・ヌーヴォーは、地元の人が収穫祭で楽しむ地酒でした。ところが、人気が出るにしたがって、我先に販売しようと、質の良くないワインを出荷する業者が出始めてしまいました。そのため、ブランドの品質を守るため、1967年にフランス政府によって解禁日が設定されました。当初は11月15日が解禁日でしたが、日付で決めてしまうと休日が解禁日になる場合もありました。フランスでは流通業者やレストランは休日には営業しないため、1984年に現在の解禁日に変更されました。

どうやって楽しむとよいの?

飲み比べ

 ボジョレー・ヌーボーは、9月頃に収穫されたガメイ種というブドウを2か月という短期間で若飲み用に仕込んでいるため、果実の風味が強いフレッシュな味わいが特徴のワインです。ガメイ種は渋味の少ないブドウですが、ワインの味わいは生産者によって変わるため、軽いワインからしっかりした飲みごたえのあるワインまで、同じボジョレー・ヌーボーでもさまざまな種類があります。

 ボジョレー・ヌーボーはAOCという査定機関によって厳格に審査されます。審査には以下の4段階があります。
① ボジョレー(地方単位)
② ボジョレー・シュペリュール(地区単位)
③ ボジョレー・ヴィラージュ(村単位)
④ グラン・クリュ(畑単位)

地方→地区→村→畑と範囲が狭まるにつれて審査が厳しくなるため、上記の4段階の下に行くほど品質が高いとされています。

 一般に店頭に並ぶボジョレー・ヌーボーは、ボジョレー(①)と、ボジョレー・ヴィラージュ(③)が大半になります。価格帯は、ボジョレーが1,500~2,500円程度、ボジョレー・ヴィラージュ が2,500~5,000円 程度 です。一般にボジョレー・ヴィラージュの方が、ボジョレーよりも香りがたち、味わいも濃厚になると言われています。実際にワインに詳しくない方でも飲み比べてみるもの面白いでしょう。

美味しい飲み方

 ボジョレー・ヌーボーは、フレッシュな魅力を引き立てるため、通常の赤ワインとは異なり、少し冷やした状態で飲むのがおすすめです。飲む1時間くらい前に、冷蔵庫に入れて冷やしておくとよいでしょう。
 また、ボジョレー・ヌーボーは、一般的なワインと製法が異なるため、翌年の春までに飲み切ってしまった方がよいと言われています。冷暗場所で保管する必要があるため、一般家庭では冷蔵庫の野菜室に寝かせた状態で保管するのがよいです。(寝かせるのは、コルクが乾燥して酸素が混入するのを防ぐためです)開栓したけど一度で飲み切れなかった場合は、小瓶に移して保管するなど、酸化して味が落ちるのを防ぐため、なるべく酸素に触れさせないようにして保管しましょう。

料理と一緒に楽しむ

 ボジョレー・ヌーボーは、軽やかな味わいが特徴のワインのため、クセの強すぎるチーズやがっつりした肉料理と合わせると、料理に負けてしまいます。そのため、「クセの強いもの、重いもの」を避けた方がよいです。この点に気を付ければ、比較的どんな料理と合わせても問題ありません。特に酸味のあるトマトやベリー系のフルーツとの相性がよいです。

・トマトサラダ
・魚料理(マグロやサーモンのカルパッチョ、トマトソースの白身魚のソテーなど)
・軽い煮込み料理(トマトソースやハム、ソーセージを入れたポトフなど)
・ベリー系のスィーツ(ベリーのタルトなど)
・チーズ(カマンベールチーズなどクセが強くないもの)
・ハム(生ハムだと塩分が強いので、ホワイトロースハムが合います)
・ピザ(マルゲリータのようにトマトソースのシンプルなものおすすめ)

まとめ

 ボジョレー・ヌーヴォーについて、特徴や解禁日、楽しみ方について述べてきました。ワインというと小難しいイメージがありますが、ボジョレー・ヌーヴォーは決して高価なワインではありません。本国のフランスでは、千円もしないそうです。気軽に楽しめるものから、ワインの深い世界に踏み込んでみるのもいいのではないでしょうか? あなたの人生を豊かにする楽しみが増えるといいですね。

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