コロッセオ~年間訪問者世界第2位の超人気スポット

イタリアは世界で最も多く世界遺産のある国ですが、その中でもこのコロッセオは中国の万里の長城に続いて世界で2番目に年間訪問者が多い超人気観光スポットです。

「コロッセオがあるうちはローマも存在し、コロッセオが滅びる時、ローマも滅び、ローマが滅びる時、世界も滅びるだろう」という有名な言葉がありますが、建造された当時、コロッセオの存在は永遠に滅びることのないものの象徴だったのでしょう。

本記事ではそんなコロッセオについて紹介します。

どんな建物なの?

まずはコロッセオの場所と外観を紹介した動画を作成したのでどうぞ。
【空撮風動画】コロッセオ

外観の特徴

コロッセオはイタリアのローマにある古代ローマ時代に建てられた円形闘技場です。
楕円形をしており、長径が188m、短径156mあり、高さ48m地上4階地下1階の建物です。

収容人数は約5万人といわれており、現代のスポーツスタジアムと比べて遜色のない規模を誇ります。(東京ドームの収容人数は約4万6千人)

誰が作ったの?

コロッセオは古代ローマ時代の皇帝ウェスパシアヌスの命によって西暦70年頃に着工し、息子の皇帝ティトゥスの時代の80年に完成しました。

当時ではとんでもない規模の建造物であったため、建造にはローマ帝国全域から集められた何万人もの奴隷が使われたと言われています。

コロッセオには、ローマンコンクリートという火山灰と海水を混ぜて作られたコンクリートが使われています。このローマンコンクリートの強度が高かったため、2000年近く経った現在もコロッセオは大きく崩れることなく残っています。

正式な名称は当時の王朝であるフラウィウス朝にちなんだ「フラウィウス円形闘技場」でしたが、近くにネロの巨像(古代ギリシア語で「コロッソス」)が近くにあったことから、「コロッセオ」という呼称になりました。

なぜ作られたの?

暴君として有名な5代目の皇帝ネロが死んだ後の内乱を経てウェスパシアヌスが皇帝に即位した頃のローマは、64年ローマの大火68~70年ローマ内戦で受けた被害からの復興を進めていました。

ネロによる散財の影響もあり、当時は財政が苦しかったので緊縮政策がとられ、ローマ市民に相当な不満が溜まっていました。そのため、コロッセオにて刺激的なショーを見せ、それに熱狂させることで反乱を抑える効果を狙ったと言われています。

コロッセオでの競技試合は皇帝が主催するものが多く、皇帝は人気取りのため、入場料を無料にしていたそうです。また、食事が無料で提供されることもあったようです。

何が行われていたの?

コロッセオでは午前中はライオン等の猛獣と剣闘士が闘い、昼は罪人の公開処刑が行われ、午後はメインイベントである剣闘士同士の闘いが行われました。

年間数千人もの剣闘士が、命を落としたと言われていますが、当時のローマ市民にとって一番の娯楽はコロッセオで繰り広げられる処刑や殺し合いだったのです。

現在、アリーナ部分の地面は壊れてしまっていて、地下の複雑な構造がむき出しになっています。ここには猛獣たちの檻や剣闘士たちの待機場所や地下道の跡を見ることができます。
また、猛獣や剣闘士は地下からエレベータ(もちろん人力式ですが)でアリーナに登場するという演出がされていました。
あー坊
あー坊

現在の格闘技イベントでも同じような演出がされているものがあるね。コロッセオでの演出からヒントを得たのかな?

2000年前は日本は弥生時代。どれだけ当時のローマが発展していたかが分かるね。

ぐんそう
ぐんそう

(現在でも見学できる地下の構造)

また、アリーナ部分の木製の床を取り外して水を張って船を浮かべ、歴史上にあった戦いを模した海戦もショートして行われました。
ショーでは兵士の恰好をさせた死刑囚にガチの殺し合いをさせ、観客はそれを見て熱狂しました。
はーちん
はーちん

陸上の闘技場で模擬海戦だなんてなんともスケールの大きいショーだね。それにしても血の気の多い市民だわ。平和主義の私はちょっと引いちゃう。

当時のコロッセオをCGで再現した動画があるので紹介します。
Colosseo 3d

これまでの経緯やエピソード

コロッセオでの殺し合いの禁止

392年にローマ帝国にてキリスト教が国教化されると、ショーとしての剣闘士の殺し合いや処刑は禁止されました。

ただ、443年の地震で破損したコロッセオを修復した記録があったり、6世紀にも修復した記録があることから、6世紀頃までは競技場として使用されていたようです。

コロッセオの外周が半分なくなったのはなぜ?

中世になると、時の権力者が別の建物を建てる目的でコロッセオを切り出して石材として持ち出してしまいました。
有名なところでは、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂やラテラノ大聖堂、ヴェネツィア宮殿などにコロッセオから切り出された石材が使われています。

このままではコロッセオはなくなってしまいますが、18世紀初め頃からローマ法王がコロッセオをキリスト教の聖地として保存することを要求し始めます。
そして、1740年に就任したローマ法王ベネディクトゥス14世によりコロッセオは神聖であるとして保存されるようになりました。

1990年代より復興事業が本格化されていますが、現状維持が目的で、過去の完全な姿に戻す取り組みはされていないようです。
ぐんそう
ぐんそう

現在、コロッセオの外周部分は崩れてなくなったんじゃなくて、切り出されてなくなったんだね。なんとももったいない!!

死刑廃止のイベント

かつて多くの人が殺されたコロッセオは、現在では死刑廃止のイベントのために使われています。2007年1月には、イラクのサダム・フセイン元大統領の死刑に抗議するためのライトアップがされたりもしました。

どうやって行くの?

アクセス

最短ルートは、羽田空港からローマのフィウミチーノ空港までが13時間43分、空港からローマの中心部にあるテルミニ駅までが鉄道で32分、テルミニ駅からコロッセオ駅までが地下鉄で数分というルートになります。

コロッセオはローマの中心部にあるので交通の便はとてもいいですね。

ぐんそう
ぐんそう

普通に道路を走っててこんなのが見えたら人生観も変わりそう。。

チケット購入

コロッセオはの外観の見学は無料ですが、内部を見学するには入場チケット(16ユーロ)を購入する必要があります。入場チケットは当日購入もできますが、大変混雑するので時間指定制の事前予約をした方がよいです。(事前予約時の料金は18ユーロ

以下のサイトにて予約できます。

https://ecm.coopculture.it/index.php?option=com_snapp&view=products&snappTemplate=template3&catalogid=A4CC149C-BEE1-5773-5E59-01675F3EA81C&lang=en

コロッセオのチケットは近隣にあるフォロ・ロマーノパラティーノの丘と共通になっています。コロッセオへは時間指定制ですが、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘は自由に入場できます。