とんでもない丘の上にたたずむキリスト像から360度のパノラマで麓の街を見下ろすような映像を見る事が多いですね。
本記事では、このキリスト像について紹介します。
Contents
どんな建物なの?
外観の特徴
まずはコルコバードのキリスト像の場所と外観を紹介する動画を作成しましたのでどうぞ。 ブラジルのリオデジャネイロにある標高710mのコルコバードの丘から街を見下ろすように立てられた高さ39.6m(台座の高さ9.5m含む)、左右に広げた両手の幅は30mあるキリスト像です。この像は鉄筋コンクリート製で外装は石鹸石で覆われており、世界最大のアール・デコ像とも言われています。
コルコバードの丘からは、世界三大美港とも言われるグアナバラ湾、特徴的な形をした岩山のポン・ジ・アスーカル、コパカバーナビーチ、イパネマのビーチ、リオデジャネイロのビル群を一望する絶景を楽しむことができます。
あー坊
自然と街並みが一体となっているリオデジャネイロの風景は世界遺産にも登録されているよ。
誰が作ったの?
キリスト像の建造計画の立案と頓挫
ブラジルは人口の90%近くがクリスチャンと、キリスト教が盛んな国ですが、1850年にペドロ・マリア・ボス神父がキリスト像を建てるという計画を立てました。ブラジル独立宣言をしたドン・ペドロ皇帝の娘であるイザベル王女の支援で計画を進めていましたが、1889年にブラジルは共和制になり、支援者を失って計画は頓挫します。
独立100周年を記念したキリスト像の建造
1920年にリオデジャネイロのカソリックサークルにより、1922年のブラジル独立100周年を記念してキリスト像建造の計画が再開されました。ブラジルは1500年にポルトガルに発見されて以来、ポルトガルの植民地として苦しい歴史を歩みました。そんなブラジルが1822年にポルトガルから独立しました。ただ、独立とは言っても、当時、ナポレオン皇帝の支配するフランスからの圧力でブラジルに逃亡していたポルトガル王室の皇太子(ドン・ペドロ)が本国から独立すると宣言しただけで、もともとこの地に住んでいたインディオが独立したわけではありません。この辺りはアメリカがイギリスから独立したのと似ていて、所詮は白人同士の権力抗争だったんですね。
キリスト像のデザインはフランス在住のポーランド人の彫刻家ポール・ランドウスキが行い(顔のデザインのみルーマニア人のゲオルゲ・レオニダが担当)、鉄筋コンクリート製の内部構造はフランスの著名な技術者アルベルト・カコーが設計しました。
フランスで高さ4mのミニチュア版の銅像が作られた後、リオデジャネイロへ運ばれ、建設はエイトール・ダ・シルバコスタにより行われました。
キリスト像建造のための資金はブラジルのカソリック教徒の寄付で賄われ、1931年に完成しました。
関連エピソード
新・世界七不思議に選出
コルコバードのキリスト像は2007年に新・世界七不思議の1つに選ばれました。ただ、この新・世界七不思議はユネスコの世界遺産と違って、一般からの電話投票やインターネット投票により選出するものでした。
そのため、リオデジャネイロの有力企業がスポンサーとなって数百万ドルの資金が投入され、力業で勝ち取ったものでした。
他に選ばれたのは「万里の長城」「ペトラ」「コロッセオ」「チェチェン・イッツァのピラミッド」「マチュ・ピチュ」「タージ・マハル」で、コルコバードのキリスト像だけが、20世紀の建造物でした。
ぐんそう
建造の経緯が明確なのに新・世界七不思議って違和感を覚えるね。こんな称号なくてもいいように思えるのだが。。
落雷による損傷と大規模補修工事
2008年と2010年に、落雷によってキリスト像の頭部や指が損傷し、2010年に大規模な修復工事が行われました。キリスト像へのプロジェクション
近年、キリスト像にプロジェクションマッピングを使った様々な演出がされています。(以下にプロジェクションマッピングの動画を紹介しておきます)話題になったのが、2010年に児童虐待のキャンペーンの一環として、キリスト像が抱擁する姿が公開されました。
2020年には新型コロナウイルスの感染拡大防止の医療従事者に感謝の意を示すため、キリスト像に白衣や国旗、メッセージが投影されたりもしました。
はーちん
本当に像が動いているみたいでスゴイ!
観に行くには
アクセス
ブラジルのリオデジャネイロへは飛行機で27時間程度。コルコバードの丘へはリオデジャネイロ市内のコスモ・ベーリョ駅から登山列車で行くか、バスもしくはタクシーで行きます。登山列車を使う場合は事前予約が必要で、以下のサイトから予約できます。(コルコバードの丘への入場料とセットで往復68.00レアル(約2,100円))
https://ticket.corcovado.com.br/