本記事では、このハンガリー国会議事堂について紹介します。
Contents
どんな建物なの?
外観の特徴
まずは国会議事堂の位置や外観を眺めた動画を作成しましたので、どうぞ!はーちん
王様の宮殿みたいに豪華な建物だわ!
この国会議事堂はゴシック・リヴァイヴァル建築と呼ばれる18世紀後半から19世紀にみられるゴシック建築に倣った建築様式で建てられています。
ゴシック建築とは、12世紀~15世紀末頃にフランスを発祥としてヨーロッパ各地に影響を与えた建築様式です。頭が尖ったアーチやリブ・ヴォールトと呼ばれる天井様式によって天井が軽量化され、柱と柱の間に壁ではなく大きなステンドグラスを設置されるなどの特徴があります。
正面からみて中央にドームがあって左右対称なデザインで、高さは96mあり、ブダペストで最も高い建物です。
壁には合計で242体の彫刻がされるなど豪華な造りになっています。
外装以上に豪華な内装
内装は外装以上に豪華絢爛な造りになっています。なんと、国会議事堂内をストリートビューで歩き回れるので、ご自分で探索してみてはいかがでしょうか?
(正面玄関の大階段)
中央のドームの下にはハンガリー王が代々受け継いできた「聖イシュトヴァーンの王冠」が展示されており、公開中は常に衛兵が傍に立って見張っています。
(中央ドームにある「聖イシュトヴァーンの王冠」)
国会議事堂の正面からみて右側が上院、左側が下院の議会ホールになっていますが、現在、ハンガリー国会は一院制のため、旧下院のみが使われています。
(下院議会ホール)
ぐんそう
溜息が出る程、贅沢な国会議事堂だね。
誰が作ったの?
国会議事堂の建設はハンガリーの国の成り立ちと関連するので、ハンガリー王国の建国から順を追って説明しますね。ハンガリー王国の建国と繁栄
9世紀末にマジャール人が定住し、1000年にイシュトヴァーン1世がローマ教皇シルウェステル2世から「聖イシュトヴァーンの王冠」を授かり、ハンガリー王国を建国しました。13世紀に大モンゴル帝国の侵入を受け、甚大な被害を受けますが、モンゴル軍の撤退により、ハンガリーは占領されずに済みました。その後、ハンガリー王国は国力を高めて15世紀には最盛期を迎えます。
300年以上に渡る隣国からの支配
1526年のモハーチの戦いでオスマン・トルコ帝国に敗れると、南部をオスマン・トルコ帝国に、北部をオーストリア=ハプスブルク家に支配されます。1697年にオーストリア=ハプスブルク家がオスマン・トルコ帝国をゼンタの戦いで破ると、ハンガリー全域はオーストリア=ハプスブルク家の支配下になります。
隣国の支配からの独立と繁栄
1866年の普墺戦争でオーストリアがプロイセン(ドイツ)敗れると諸民族の独立運動が強まり、ハプスブルク家のオーストリア皇帝はハンガリーの形式的な独立を認め、1867年に「オーストリア・ハンガリー帝国」が建国されました。19世紀後半のハンガリーは資本主義が発達し、首都ブダペストには地下鉄が整備されるなど、ヨーロッパ有数の近代都市として繁栄しました。
そんな中、1880年に国民議会にて国の独立を象徴する国会議事堂の建設が決定され、建築家シュタインドル・イムレによる設計で1885年に建設が始まり、1904年に完成しました。
なお、シュタインドルは1902年に既に亡くなっており、国会議事堂の完成を見ることはできませんでした。
あー坊
当時は資金も潤沢にあったから、こんなに贅沢な 国会議事堂が建設できたんだね。
観に行くには
アクセス
日本からハンガリーへの直行便がないため、EU内の国を経由する必要があります。最短ルートは、羽田空港からドイツのミュンヘン空港経由でブダペスト空港まで行き(14時間5分)、ブダペスト空港からはプダペストの市街地まではバスで移動(43分)になります。
国会議事堂内を見学するにはツアーへの申し込みが必須になります。当日申込もできますが、ピークシーズンは当日は全て予約済みという可能性もあるので、事前に予約しておいた方がよいでしょう。
予約は以下のサイトにてできます。料金は6,400HUF(約2,200円)です。
https://www.jegymester.hu/eng/Production/480000/Parliament-visit#anchor_list